これぞ素晴らしい職人の技! 知っておくべき日本の技術を紹介

職人技

日本の素晴らしい技術についてご存知でしょうか。私たちの周りには、後世に伝え続けていきたい数々の匠の技がたくさんあります。

今回の記事では、何百年にもわたって日本人の暮らしの中に息づいてきた、世界に誇るべき職人の技についてご紹介したいと思います。

1.知ってほしい職人の技「宮大工」

職人の技 宮大工

1-1 宮大工とは何か

宮大工とは、神社や仏閣のような伝統建築を専門に手がける職人を指します。新築はもちろんですが、時には何百年も前に建てられた重要な文化財の解体・修繕を請け負うこともあります。

かなり昔に描かれた図面を解析しながら解体や修繕を行う場合もあるため、慎重かつ的確な判断が必要となります。

また、建築物によっては図面が存在していないケースも多いため、実物を見ながら内部の構造・工法を判別できるだけの深い知識と、それらを寸分狂わず再現できるだけの確かな腕が必須となります。

1-2 宮大工のここがスゴイ

神社や仏閣は「木組み工法」で建てられています。「木組み」とは釘や金物をほとんど使わず、木自体に切り込みなどを入れてはめ合わせ、強固に組み上げていく高等技術です。

はめ込まれた木材の表面からはその構造の複雑さは見えず、つなぎ目も分らないほど精巧に組まれています。その巧みな技は、パズルを組み合わせるような複雑な知識と、木材を正確に削る技術によって支えられています。

また、木材の加工はすべて手作業で行うため、木の生育状態や性質を読んで、どの用途に適するかを見極める眼も重要となります。

そのため、一般的な大工は3年を目安に一通りの作業を経験すると言われますが、宮大工の場合は一人前と呼ばれるのに10年はかかり、厳しい修行を乗り越えねばなりません。

2.知ってほしい職人の技「花火師」

職人の技 花火師

2-1 花火師とは何か

夏の風物詩といえば花火。日本各地では様々な花火大会が開かれますが、そこで打ち上げられる花火をトータルでプロデュースしているのが花火師です。

花火師の仕事は、花火の製造はもちろんのこと、花火大会の準備と運営、当日の打ち上げ、後片付けなど広範囲にわたっています。

冬場に少しずつ花火を制作し、夏になればそれらを打ち上げるというのが、一年の仕事の大まかな流れとなります。

花火師と呼ばれるには、日本煙火協会から「煙火消費保安手帳」の交付を受ける必要があります。現在は全国で約18,000名が交付を受けており、そのうち約1,000名が女性です。

500年近い歴史を持つ日本の花火技術は世界屈指のもので、世界で一番大きな花火を打ち上げたギネス記録は日本が持っています。

どこから見ても真ん丸い球状に見える色とりどりの花火は日本ならではのものであり、まさしく珠玉の職人技と言えるでしょう。

2-2 花火師のここがスゴイ

花火の製造作業をするには、火薬類取締法に定める保安管理技術の免許を取得しなければなりません。

そして「玉貼り*3年、星かけ**5年」という言葉があるように、原料の配分を間違えるとうまく爆発しなかったり、きれいな形にならなかったりするため、一人前の職人になるまでには少なくとも10年以上の歳月が必要です。

花火作りには設計図はなく、気軽に試し打ちもできないため、基本的にはぶっつけ本番となります。そのため長年の知識と経験に加え、時には職人の勘によって新作の花火を作り出すこともあるそうです。

玉貼り:花火作りの最後の工程で、星を均一に飛び散らせて真球形の花火を作るために重要な作業

星かけ:星(花火が開いた時に光を出す部分)を作る作業

3.知ってほしい職人の技「刀匠」

職人の技 刀匠

3-1 刀匠とは何か

日本が誇る伝統工芸品として、国内のみならず欧米にも愛好者の多い日本刀ですが、近年はアニメや舞台にもなったシミュレーションゲーム『刀剣乱舞』の人気もあって、若い世代の間にも日本刀の魅力にハマっている人が増えているようです。

その日本刀作りの伝統を受け継ぐ希少な職人として、文化庁から認定を受けているのが刀匠です。刀匠と聞くと日本刀だけを作っているようなイメージですが、それ以外にも伝統芸能に必要な道具などを制作したり、ナイフや包丁作りも手がけています。

3-2 刀匠のここがスゴイ

日本刀は鉄を溶かさず、熱を加えて叩くというシンプルな工法で作られるため、職人の腕一つで仕上がりに大きく差が出ます。また、鉄の温度が1300度近くに達するため、作業には大きな危険が伴います。

刀匠になるためには、師匠の元で5年以上の修行を積んだ後、美術刀剣刀匠技術保存研修会の試験に合格し文化庁の認定を受けなければなりません。

修行期間中は完全な無給となるため、あらかじめ生活費を用意するか、周囲のサポートがなければ修行を継続するのは困難です。

そのため全日本刀匠会事業部に刀匠として登録していた職人は、平成元年はおよそ300人いましたが、現在は約6割近くに減っており、深刻な後継者難に悩まされています。

4.知ってほしい職人の技「指物師」

職人の技 指物師

4-1 指物師とは何か

指物とは、釘や接着剤などを使わず、木と木を組み合わせることによって作られる木工のことです。小箱や花器などの小さな道具から、箪笥(たんす)や棚のような大きな家具まで幅広い製品が作られています。

こうした指物を作る職人が指物師です。指物の歴史は平安時代にまでさかのぼりますが、指物の専門職人が現れたのは室町時代以降のこと。

武家の暮らしの中で棚や箪笥、机などの調度品が増え、また茶道の発展に伴って箱物への需要が増えたことから発展を遂げました。専門の指物師が誕生するまでは、大工職の手によって指物は作られていました。

4-2 指物師のここがスゴイ

板と棒を組み合わせて作る指物は、まるで精巧なパズルのようです。完成品には巧妙に考えられた技が息づいており、外からは組み手が見えません。

また、木目の美しさを引き出しつつも長年にわたる使用に耐え得るよう、使い込まれた後の木の反りや色合いの変化なども計算しながら作り上げられます。

多種多彩な指物作りを身につけるためには、10年以上の修行が必要と言われています。

5.知ってほしい職人の技⑤「畳職人」

職人の技 畳職人

5-1 畳職人とは何か

わら、い草などの材料を使って畳を製造、修理する専門職人が畳職人です。畳床に畳表を縫い付け、さらに畳緑を縫い付ける作業が基本となりますが、原料となるい草の良し悪しを見分ける眼も必要となります。

畳は世界に類のない日本固有の伝統文化で、現代の畳に近いものが生まれたのは平安時代に入ってから。それまでは板床に敷くクッションのような感覚で使われていました。

近年は発泡スチロールや化学繊維などを使用した畳が開発され、機械で製造するケースが増えた分、昔ながらの技を持つ畳職人は希少な存在となっています。

5-2 畳職人のここがスゴイ

和室は厳密には正確な長方形や正方形ではないため、一見まっすぐに見える壁際も、実際には数ミリ単位で湾曲していることがほとんどです。

熟練した畳職人はそうした誤差を見抜き、曲りに合わせて正確に畳を切り落とし、1枚1枚の畳を思い通りの寸法に仕上げます。

そして優れた畳職人が作る畳には、畳表の張り具合、縁の幅、縫い付ける位置、糸の締り具合など、随所にこだわりの技が息づいているのです。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか。各分野の職人たちによって受け継がれてきた匠の技は、まさに生きた文化財と言えるものです。

全国各地には、こうした伝統の職人技に触れられる施設や催事も数多くあるので、機会があれば一度立ち寄られてみてはいかがでしょう。

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