簡単解説!日本で働く外国人労働者の問題や推移、理由について

外国人 労働者

長期的な人口の減少傾向や少子化、高齢化への流れが取りざたされる中、日本で働く外国人労働者の数は、ここ数年急速に増加しています。

実際に外国人の雇用状況や労働環境はどうなっているのか気になりませんでしょうか。今回は日本における外国人労働者の現状について、わかりやすく紹介したいと思います。

1.過去最高の増加を続ける外国人労働者数について

2018年1月末に厚生労働省が発表したデータによると、2017年10月末現在、日本国内で雇用され働いている外国人労働者は約128万人に達し、過去最高を記録しました。

この5年間だけで約60万人近くも増え、日本の雇用者総数の約2%を占める水準となりました。国内第9位のさいたま市の人口とほとんど変わりません。

[ここ5年間の外国人労働者数推移(各年度10月末時点)]

外国人労働者

国別では中国からの労働者が最も多くて372,263人(外国人労働者全体の29.1%)。次いでベトナム240,259人(同18.8%)、フィリピン146,798人(同11.5%)の順となっています。

ただ前年からの伸び率を見ると、ベトナム(39.7%)、ネパール(31.0%)が高くなっています。

外国人労働者

なお都道府県別では、東京が27万6,909人(全体の30.5%)で最も多く、次いで愛知9万4,698人(同10.4%)、神奈川5万1,854人(同5.7%)、大阪4万5,838人(同5.0%)、静岡4万376人(同4.4%)の順となっており、上位5都府県で全体の半数を超えています。

2.外国人の労働者が多い業種ベスト5

外国人労働者の就労数を業種別に見ると、製造業が38万5,997人で最も多く、外国人労働者数全体の30.2%を占めています。

ただ、2009年の段階では60%を超えていたので、製造業で働く外国人の比率そのものは年々減少傾向にあるようです。

次いで多いのが卸売業、小売業の16万6,182人(同13.0%)、宿泊業、飲食サービス業の15万7,866人(同12.3%)、教育、学習支援業の6万5,309人(同5.1%)、建設業の5万5,168人(同4.3%)となっています。

そして外国人への依存度が年々高まっているのが、建設業と農業・林業です。例えば2020年のオリンピックを控え、首都圏では建設現場の人手不足が深刻化しています。

一方で、北海道に次ぐ国内2位の農業産出額を誇る茨城県では、農業従事者のうち21人に1人が外国人であり、「国内産」として販売されている野菜の多くも、外国人の手を借りなければ市場に出回らないのが現状です。

3.外国人労働者の雇用が増加している背景とは

外国人を雇用している事業所は全国で194,595カ所となり、前年同期比で21,797カ所(12.6%)増加、過去最高を更新しました。

このように外国人労働者の雇用が増加している背景として、厚生労働省では次の3つを挙げています。

増加している理由1

政府が推進している高度外国人材(※専門的な技術や知識を持つ外国人労働者の総称)や、留学生の受入れが進んでいること

増加している理由2

雇用情勢の改善が着実に進み、「永住者」や「日本人の配偶者」等の身分に基づく在留資格の方々の就労が増えていること

増加している理由3

外国人技能実習制度の活用が進んでいること

外国人技能実習制度とは、発展途上国の若者を技能実習生として受け入れ、実際の実務を通じて実践的な技術や技能・知識を学び、帰国後母国の経済発展に役立ててもらうことを目的とした公的制度のこと。

4.外国人が日本で働きたいと思う理由について

外国人を受け入れる態勢がいくら整っていたとしても、外国人から見て日本が「働く場」として魅力的でなければ、ここまで外国人労働者は増えることはなかったでしょう。

では、アジア系を中心とした外国人が、「日本で働きたい」と考える理由はどこにあるのか。それぞれ細かい事情は異なるでしょうが、総じて次の7つが挙げられると思われます。

日本で働きたい7つの理由

①母国より相対的に給与水準が高く、福利厚生などの条件も良い

②幼い頃から日本の文化(アニメ、漫画など)に親しみを感じている人が増えている

③日本語を学習する場・機会が増えている

④テクノロジーが発達しているため仕事を通じて先端技術に触れられる

⑤アジア圏の人たちにとって距離が近く費用面でも渡航しやすい

⑥生活のためのインフラが整っているため暮らしやすい

⑦治安が良いため安心して働ける

上記の中でも特に①の「相対的な給与水準の高さ」について、少し詳しくご説明することにしましょう。

東京都の最低賃金958円で1日8時間、20日出勤した場合、月収は15万3280円となりますが、これをベトナムの通貨であるドンで換算すると約3238万8千ドンとなり、ベトナムでは医者の月給に匹敵します。

つまり最低賃金で働いたとしても、ベトナムの家族に送金すれば大金になる訳です。そうした背景から外国人にとって日本で働くことは、たとえ最低賃金であったとしても大きなメリットとなるのです。

5.外国人労働者を雇用するメリットとは

受け入れる側の日本企業にとっても、外国人労働者の雇用にはメリットとデメリットがあります。まずはメリットについて見ていきましょう。

■若い労働力を補充できる

少子化により若い優秀な人材の確保が難しくなっている中、海外からの若い労働力が、そうした人材不足の補充に役立っています。

■社内環境の活性化につながる

外国人労働者の中にはモチベーションと能力の高い人材も多く、組織にとっては大きな刺激となり、社員の就労意識の向上にもつながります。

■グローバル化への対応につながる

特に海外展開を考えている企業にとっては、進出を予定している地域の出身者を採ることができれば、現地の生活習慣等を知っているため大きな戦力になります。

■異なる視点からの発想が得られる

日本人には考えつかない斬新な発想が期待できるため、日本人社員にも大きな刺激となり、かつ新たな商品・サービスを開発するきっかけにもなります。

6.外国人労働者を雇用するデメリットとは

一方で、外国人労働者の雇用には企業側に下記のようなデメリットもあります。

■書類手続きに時間がかかる

在留資格の確認やビザの手続きなどの事務手続きに時間を要するのに加え、滞在ビザはあるものの就労が認められていない外国人を雇う際は、企業側で就労ビザの手続きをサポートする必要もあります。

■不法労働者を雇用するリスクがある

日本での滞在資格や就労資格があるかどうか、その職種に就く資格があるかどうかの確認が必要であり、資格を持たない外国人を雇用した場合は、雇用者が処罰を受けることになります。

■コミュニケーションが取りづらい

言語の違いはもちろん、文化の違いを背景にした考え方や行動パターンの違い、または宗教上の習慣の違いなどが、円滑なコミュニケーションを妨げることがあります。

7.まとめ

いかがでしたでしょうか。少子高齢化が進み人材不足が深刻化している日本の現状を考えると、外国人労働者に対するニーズは今後ますます高まっていくことでしょう。

近未来の日本の企業においては、外国人と一緒に働くことが一つのスタンダードになるかも知れません。

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