佐賀の日本酒はこんなにも旨みが深い!おすすめしたい美酒9選

佐賀 日本酒

有明海に面した佐賀平野は、吉野ケ里遺跡に象徴されるように、古くから全国有数の米どころでした。加えて北の脊振(せふり)山系、南の多良(たら)山系の良質な伏流水に恵まれているため、日本酒造りにはもってこいの環境です。

江戸時代には佐賀藩主の鍋島直正公が、農閑期に余った米を使った日本酒造りを奨励し、最盛時にはおよそ700もの酒蔵があったと記録に残っています。

こうした歴史的背景もあって、2012年には佐賀市が日本酒購入額で全国首位に輝くなど、一人あたりの日本酒消費量では九州随一となっています。

また県外への日本酒出荷量もこの10年近くで倍以上に拡大。海外のコンペティションでも続々と賞を獲得するなど、佐賀の日本酒に対する評価はこの10年近くで大きく高まっています。

今回の記事では、そんな佐賀のおすすめ日本酒を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

佐賀の日本酒は多様な食文化で育まれた「濃醇旨口」

玄界灘と有明海という二つの海にはさまれた佐賀は、良質な海の幸に恵まれています。その一方で「佐賀牛」「伊万里牛」「肥前さくらポーク」「みつせ鶏」など、全国的に有名なブランド肉の産地でもあります。

こうした多彩な食文化が、魚介だけでなく肉料理や野菜に合わせても負けないような、濃醇で旨みのある日本酒を育んできました。

国税庁の調査(2013)によれば、都道府県別の甘辛度・濃淡度を分布図にしたグラフで、佐賀県は最も右上の位置、「濃醇旨口」に位置しています。

かつて日本酒の世界では「淡麗辛口」がブームとなった時期がありましたが、価値観や嗜好の多様化が進む中、米の風味を活かし旨みの源となるアミノ酸の含有量を増やした濃醇な日本酒を好む人も増えています。

そうした流れが佐賀の日本酒のファンを増やしているのかもしれません。

【人気】近年注目度が高まっている、佐賀のおすすめ日本酒3選

ここ数年にかけて日本酒ファンの間で特に注目度が高まってきた、佐賀を代表する人気の日本酒を3つご紹介しましょう。

佐賀のおすすめ日本酒①「鍋島 純米吟醸 生酒」

鍋島は酒の種類別にラベルが色分けされており、純米吟醸は紫のラベルが目印です。すがすがしいメロンのような甘い香りがグラスに立ち上り、口に含むとフレッシュな生酒ならではの爽快な口あたりが広がります。

世界最大規模のワイン・コンペティション「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2017」純米吟醸酒の部で金賞を受賞しています。数ある鍋島ブランドの入門酒としてお試しください。

蔵元の富久千代酒造は大正末期の創業。「鍋島」の銘柄は江戸時代に約300年にわたって佐賀藩を治めた鍋島家にちなんだもので、一般公募で寄せられた150に及ぶ候補の中から選ばれたものです。

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佐賀のおすすめ日本酒②「七田 無濾過純米吟醸」

白桃を思わせるみずみずしくおだやかな吟醸香と、きめ細やかな口あたり、そして濃醇で幅のある米の風味を特徴とする純米吟醸です。

蔵元の天山酒造の歴史は一風変わり種で、文久元年(1861)から水車で精米や製粉、製麺の仕事を営んでいた七田家が、廃業寸前の蔵元から酒蔵と道具一式を買い取る形で明治8年(1875)に創業しました。

そのため当初は酒造と並んで製粉・製麺業を手がけており、一時は県内の需要をまかなうほどの生産力を有し、高級そうめんなどを三越や有名料亭の「吉兆」へも納入していたそうです。

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佐賀のおすすめ日本酒③「古伊万里 前 純米吟醸」

「全米日本酒歓評会」で2013年にグランプリ、2014年からは3年連続で金賞を受賞している他、「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2017」純米吟醸酒の部でも金賞を受賞している、海外でもよく知られた純米吟醸酒です。

さわやかさの中にも熟成感のあるおだやかな香りが特徴で、透明感のある口あたりは食中酒としても最適です。蔵元は伊万里市で明治42年(1909)に創業した古伊万里酒造。

牡丹唐草など古典的な模様をあしらった有田焼のカップ酒「NOMANNE・ノマンネ」も、ちょっとした佐賀みやげとしておすすめです。

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【老舗蔵】佐賀の日本酒の伝統を伝えるおいしい日本酒3選

次に、江戸時代から佐賀の日本酒のおいしさを脈々と伝え続ける老舗蔵の逸品を3つご紹介します。

佐賀のおすすめ日本酒④「能古見 純米吟醸」

低農薬契約栽培の地元鹿島産山田錦を50%まで磨き、多良岳山系の地下水で醸した、高いレベルでバランスの取れた純米吟醸酒です。

メロンやバナナを思わせるフルーティな香りと飲み口が特徴で、味は甘すぎず辛すぎず、濃すぎず淡すぎず、まろやかさの中にしっかりと旨みが乗っています。

蔵元の馬場酒造場は寛政7年(1795)の創業。8代目の当主を含めて4名の少人数で、佐賀らしい旨みのゆたかな酒造りを続けています。

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佐賀のおすすめ日本酒⑤「東鶴 特別純米 雄町中汲み」

品のよい柑橘系の香りと、ふくよかで重厚感のある米の旨みが口の中に広がる特別純米酒です。ほどよい酸味がアクセントとなって、あと味のキレのよさを引き立てます。冷やしても、ぬる燗にしても、それぞれのおいしさが味わえる懐の深さがある日本酒です。

ちなみに「中取り」とは、しぼった酒の中でも特に品質の安定した良い部分だけを詰めたものを指します。蔵元の東鶴酒造は天保元年(1830)の創業。

20年近く休眠していた時代を経て、2009年から当時28歳だった現社長が自ら杜氏となり、毎年少しずつ量を増やしながらていねいに手造りで仕込んでいます。

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佐賀のおすすめ日本酒⑥「慶紋東長 特別純米酒」

佐賀県産の山田錦と佐賀の華を酒米として使用した、濃厚な米本来の旨みと甘みが感じられる本格派の特別純米酒です。燗にするといっそう旨みが引き立ちます。

蔵元の瀬頭酒造は寛政元年(1789)に創業した老舗蔵です。「東長」の酒銘は、第19代内閣総理大臣・原敬が「あずまの国のおさ、東洋の王者にふさわしい」と命名したもの。

戦後まもなくGHQの指定商品になり、マッカーサー元帥も「東長」を愛飲したと言われています。

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【個性派】既成の枠にとらわれない佐賀の純米吟醸3選

最後に、既成の日本酒の枠にとらわれないユニークな発想で造られた佐賀の銘酒を3つご紹介します。

佐賀のおすすめ日本酒⑦「東一 純米吟醸Nero」

加水をしない原酒の状態でも低アルコール(13度)になるよう、独自の方法で醸造された純米吟醸です。南国の果実をイメージさせるおだやかな香りが、まろやかな味わいとバランスよく調和し、軽い酸味が後味のキレのよさを引き立てています。

2008年に行われた洞爺湖サミットで世界のVIPにも振る舞われました。ちなみにNeroはイタリア語で「黒」の意味です。

蔵元の五町田酒造は大正11年(1922)の創業。「米から育てる酒造り」をスローガンに掲げ、自家栽培の山田錦で造った大吟醸が全国新酒鑑評会で金賞を受賞しています。

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佐賀のおすすめ日本酒⑧「天吹 純米吟醸 いちご酵母生」

いちごの花に由来する「いちご酵母」で醸した純米吟醸酒です。ベリー系の甘く芳しい香りと、フルーティーな甘酸っぱさの中にゆたかな米の旨みが感じられる、すっきりとしたピュアな味わいの中辛タイプです。

蔵元の天吹酒造は元禄年間(1688〜1704)の創業。花の中から分離された花酵母による酒造りがこの蔵の最大の特徴で、アベリア、月下美人、シャクナゲ、なでしこ、マリーゴールド、りんごなどが、華やかな香りと個性ゆたかな味わいを生み出しています。

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佐賀のおすすめ日本酒⑨「宗政 純米吟醸-15」

一般的な純米酒と比べて約3~5倍の甘味を持つ、日本酒度-15の超甘口純米吟醸酒です。フルーティーな香りで口あたりもソフト。やさしい甘みの中にほんのりとした酸味と旨みがバランスよく広がります。

「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2015」「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2015」でそれぞれ金賞を受賞。女性や初心者には超おすすめの逸品です。

蔵元の宗政酒造は昭和60年(1985)創業の新しい蔵。もともとは焼酎蔵としてスタートし、現在は清酒、リキュール、地ビールも醸造しており、お酒と有田焼のテーマパーク「有田ポーセリンパーク」も運営しています。

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まとめ

淡麗辛口がブームだった頃も、ブレることなく濃醇旨口の味を守り続けた佐賀の日本酒。

嗜好の多様化が進んで濃醇な日本酒を好む消費者も増えている昨今、まさに時代が佐賀に追いついたと言えるでしょう。

そんな旨みたっぷりの佐賀の日本酒を、地元の食材といっしょにぜひお試しください。

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