伝統工芸品とは何か?日本が誇る知ってほしい工芸品も徹底紹介

伝統工芸品

全国各地には、世界に誇れるすばらしい伝統工芸品が数多くあります。しかし、伝統工芸品について「あまりよく知らない」という方は、多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事は、「そもそも伝統工芸品とは何か?」という説明を踏まえながら、世界的に有名な伝統工芸品から、素晴らしいのにあまり知られていない逸品まで、独自の視点で選んだ日本の伝統工芸品10選を紹介します。

1.伝統工芸品とは、そもそもどういうものなのか?

伝統工芸品とは、長年受け継がれてきた手作りの技法で作られる、工芸的実用品の総称です。

日本には現在1,192品目の伝統工芸品があると言われており、主な品目としては、織物、染色品、陶磁器、漆器、木工品、竹工品、金工品、仏壇、仏具、和紙、文具(筆、墨、硯、そろばん)、石工品、人形、郷土玩具、扇子、団扇、和傘、提灯、和楽器、神祇調度、慶弔用品、工芸用具、工芸材料などが挙げられます。

都道府県別の品目数では京都府が最多で、以下栃木県、福島県、島根県、茨城県、滋賀県、東京都、山形県、香川県、三重県と続きます。

そして、伝統工芸品作りに従事している企業数は約25,000社で、従事者数は約14万人、生産額は約8,000億円となっています。

そしてこれら伝統工芸品の中にあって、経済産業大臣から「伝統的工芸品」と指定されているものが、2017年11月現在で230品目あります。

「伝統的」とは、およそ100年以上にわたって受け継がれた歴史があることを意味します。指定を受けるための要件は、法律で以下のように規定されています。

伝統的工芸品の指定要件

① 主として日常生活の用に供されるものであること。

② その製造過程の主要部分が手工業的であること。

③ 伝統的な技術又は技法により製造されるものであること。

④ 伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること。

⑤ 一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること。

なお伝統的工芸品の指定に当たっては、「産地からの申請」がなければ審査対象とならないので、要件を十分満たしているにも関わらず、指定を受けていない工芸品も全国には少なくありません。

そのため指定の有無によって工芸品に優劣がつくわけではないので、その点は心に留めておきましょう。

2.世界的にも有名な日本の誇れる伝統工芸品5選

2-1 宮城伝統こけし(宮城)

宮城県には「鳴子(なるこ)」「作並(さくなみ)」「遠刈田(とおがった)」「弥治郎(やじろう)」「肘折(ひじおり)」の5つの伝統こけしがあります。

中でも「鳴子」は、日本の三大こけし発祥の地の一つとして全国的に知られ、現在でも約50人の工人が精魂込めて手作りを行なっています。

近年、日本では「こけし女子」「こけ女」と呼ばれる女性が増えるなど静かなブームとなっていますが、外国でもコレクターが登場したり、こけしを描いた児童書がニューヨークの書店でバカ売れするなど、「KOKESHI DOLLS」は人気のアイテムとなっています。

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2-2 南部鉄器(岩手)

日本で最初に(1975年)伝統的工芸品に指定された鋳物の一つであり、17世紀初めに当時盛岡一円を治めていた南部藩が、京都から茶釜職人を招いて湯釜を作らせたのが始まりです。

鉄を素材にして、焼型、乾燥型の方法で、文様押し、肌打ち、漆仕上げ等の工程を経て作られます。

中でも、錆を防ぐため約900℃の炭火の中に30分位鉄瓶を入れておく「金気(かなけ)止め」は、南部鉄器独自の技術として受け継がれています。

1960年代後半から輸出が始まり、現在ではそのまま「Nambu tekki」の名で人気を集めています。

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2-3 輪島塗(石川)

数ある日本の漆器の中でも、最高峰として位置付けられるのが石川県の輪島塗です。丈夫で長持ちする堅牢さと豪華絢爛な装飾が特徴で、完成までの工程は100以上、生地作りに約2年、漆を塗り重ねる回数は75回から100回と言われます。

ルイ・ヴィトンが輪島塗とコラボレーションした小物ケースを商品化した他、アメリカの有名靴メーカーのコンバースが、輪島塗独特の艶のある朱色や漆黒を表現した「ALL STAR WAJIMA」を手がけるなど、輪島塗の美しさは海外の有名ブランドからも注目されています。

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2-4 西陣織(京都)

日本を代表する高級絹織物の一つ。多品種少量生産による先染めの紋織物(染色した糸で模様を織り出す)というのが特徴です。

横糸を紡いで絵柄を出す「綴(つづれ)」の他、「緯錦(ぬきにしき)」、「緞子(どんす)」、「風通(ふうつう)」、「絣(かすり)」、「紬(つむぎ)」など12の品種があります。

豪華絢爛さに着目したディオール、シャネル、ルイ・ヴィトンなどが店のインテリアに使用するなど、近年は内装素材としても世界で注目されています。

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2-5 有田焼(佐賀)

佐賀県有田町周辺で焼かれた磁器の総称。日本の磁器のルーツで、約400年の歴史があります。透明感のある白磁に、藍・赤・黄・金など色鮮やかで繊細な装飾が施されているのが特徴です。

有田には海がなく、一番近い伊万里港から積み出されていたことから、「伊万里焼」とも呼ばれています。17世紀から海外に輸出されており、長きにわたって海外でも高い人気を誇っています。

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3.素晴らしいのに意外と知らない!?日本の伝統工芸品5選

3-1 無名異焼(新潟)

知られざる伝統工芸品のトップを飾るにふさわしい名前の無名異焼は、金山や民謡「佐渡おけさ」で有名な新潟県の佐渡島で、約200年にわたり焼き継がれてきた個性的な陶器です。

赤っぽい土器の急須や夫婦湯呑みなどが有名ですが、この色は金山から掘り出される「無名異」(酸化鉄を含む赤い土)を原料に使用しているためです。

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3-2 丸亀うちわ(香川)

エアコンが普及した今日に至っても、うちわは浴衣姿に欠かせないアイテムの一つですが、日本のうちわ生産量の90%、年間約1億本以上が香川県の丸亀市で作られています。

そもそもは江戸時代初期、金刀比羅宮参りのお土産として広まったのが始まりでした。1本の竹から作り出される伝統的な丸亀うちわには47もの工程があり、その一つひとつに職人芸が光ります。

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3-3 天童将棋駒(山形)

藤井聡太六段の活躍によって新たな将棋ブームが巻き起こっていますが、日本一の将棋駒の産地として、全国の約9割のシェアを握っているのが山形県天童市です。

元々は駒の木地に漆で直接文字を書く草書体の書き駒が天童将棋駒の特徴でしたが、現在は機械による彫り駒を中心に、押し駒・書き駒・彫り埋め駒・盛り上げ駒の5種類が作られています。

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3-4 越前和紙

福井県越前市今立地区(旧今立町)で製造される和紙で、奈良時代には仏教の経を写すための用紙として重用されたと言われるほどの長い歴史があります。

室町期から江戸期にかけては公家や武士階級の公用紙として使われ全国的に広まりました。

それ以来品質、種類、量共に全国1位の和紙産地として生産が続けられており、近代でも横山大観など著名な芸術家たちに愛用されるなど、知る人ぞ知る存在です。

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3-5 組紐(三重・京都・東京など)

組紐の歴史は古く、縄文式土器の文様や埴輪の服飾を見ても、古代の人々が衣服に組紐を用いていたことが分かります。伸縮性に優れ、結びやすく緩みにくいため、古来より衣冠装束や武具甲冑など様々な用途に使われてきました。

最近では大ヒット映画「君の名は。」で、主人公たちがブレスレットや髪飾りとして組紐を身につけたことから、10〜20代の男女を中心に一躍注目アイテムとなっています。

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4.まとめ

いかがでしたでしょうか。日本の優れた伝統工芸品は、海外から訪れた観光客の方々への記念品として、あるいは海外留学、海外赴任する場合の手土産としても大いに喜ばれますので、ぜひ参考になさって下さい。

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