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アラスカ 2020.06.14
mebuku
ゼッタイ撮りたいオーロラ!【アラスカ編】 パート2:撮影の道具と知識
オーロラを撮影するのは、思っているよりも簡単にできるものです。
実際現場で撮影をサポートしてきた私のささやかな経験から、オーロラを撮影したくて旅行に来られる方よりも、オーロラを見るのがメインだけど撮れるなら撮りたいという方が圧倒的に多いです。
オーロラの出ている中、みなさんが自由に撮影しています。
(写真は月の出る日だったため、明るく写し撮られています。)
このシリーズでは、普段あまり撮影していないけれど、オーロラを撮るためにカメラをやりたいという方に対して、つまり、カメラ初心者の一眼レフカメラ・デビューの方々に向けて記事を書いていきます 。
今回お話する重要ポイントは道具と知識それぞれ4点だけなので、ムズかしく考えずにいきましょう!
ゼッタイ写したいオーロラ!【ゼッ写!シリーズ第2弾】の今回の記事では、オーロラを撮影するのに必要な機材と、じっさいの撮影の前に知っておくべきことを、わかりやすく解説してゆきます。
人生でたった一度のオーロラ撮影、失敗しないために、Let’s get the most out of this knowledge!
それでは、いってみましょう。
1.確実に撮るために必要なモノ
カメラ本体、レンズ、三脚…。5万円で揃います。
1−1:長くシャッターを開けておく事ができるカメラ
確実にきれいに撮るためには、一眼レフカメラあるいはミラーレスカメラが必須です。これらのカメラには、シャッターを自由に開けておくことができる設定が必ずついていて、オーロラ撮影に最低限必要な機能になります。
メカにお金をかける人が、オーロラ撮影用カメラ選びで重視するポイントは、
性能が良く、大きいセンサーがついたカメラ 高いISO(フィルム感度)とその性能 F値の低い、明るいレンズ
しかし、これらをすべて求めようとすると、何十万円もする機材が必要になります。
一度のオーロラ撮影のために、何十万円もするカメラを買う必要はありません 。型落ち(3、4年前に発売されたカメラなど)であれば安く手に入ります。たとえば、数年前に発売されたCanon の初級機 EOS M10 やNikon の D5500 、SONYのα5100など2020年現在でレンズと合わせても4〜5万円で手に入るものが多いです。しかも、それで十分に綺麗に撮影できます。
街のカメラ屋さんに行き、「オーロラが撮れるカメラを」とは聞かずに、「一眼レフあるいはミラーレスカメラの初級機で型落ちの安いものを」と言って探してもらいましょう。 カメラ屋さんはオーロラ撮影を経験されたことがない方がほとんどなので、確実性をもって、高機能で高額な上位機種を勧められると思いますが…。店の人は高いのを買ってもらいたいはずですからね。
しかしながら、それでも初めに挙げた3つのポイントをすべておさえた高級機(上位機種・フラッグシップ)を購入したいという方は、オーロラ・星景写真に外国の方もよく使っている、Nikon D800、Nikon D810が、人気があります。そのほか、Canonの5Dシリーズ、SONYのα7Rシリーズが良いですね。どれもセンサーがフルサイズで、カメラ本体だけで20万円くらいします。
One Point Advice
中古を購入される場合は、同梱のバッテリーが消耗していないかチェックしてください。リチウム電池は寒さに弱いため、新品の購入をおすすめします。
1−2:明るい広角のレンズ
(一眼レフ・ミラーレス一眼カメラの方のみ)
オーロラ用のレンズ選びに重要なのは、
F値の小さい、明るいレンズ 16mmから35mmの範囲の広角のレンズ
この2点です。
まず、明るいレンズって何?とよく聞かれますが、見た目で言えば、レンズの口径がおおきいレンズ、つまり横幅が大きいレンズと考えていただければよいと思います。
レンズのガラス部分が大きいと、入ってくる光が多くなるので、「明るい」というわけですね。しかし、明るいレンズは高価なものが多いので、次の指標、F値(エフち)というものを見て、安価でも撮れる明るいレンズを探っていきましょう。
購入するときは、F2.8という数字まで小さくなるレンズが、オーロラ撮影にはおすすめ です。レンズが明るいと、ノイズと呼ばれる画像の質を低下させるものも少なくできます。これが、F3.5やF4までしか小さくならないレンズだと、なかなかオーロラの微弱な光がレンズに入らず、撮影に苦労します。
つぎに、16mmから35mmをカバーしている広角のレンズですが、〇〇mmとは、画角の広さのことです。できれば20mmなど、画角が固定された単焦点レンズがオススメ 。
10mmなどのちいさい数字の場合は、かなりワイドで広角なレンズなので、地平線がぐねっと曲がり、あまりにも広く写しすぎてしまうために扱いにくく、初心者向ではありません。魚眼レンズは、撮影上級者になってから使いましょう。とてもむずかしいレンズですので、ここでは取り上げません。
また、星空撮影では迫力の出る50mmのレンズですが、どうしてもオーロラの一部を切り取って写すはめになり、周りの景色もあまり入らず、また光を集めにくく、残念な結果になることが多いです。ポイントは16mm〜35mmの範囲でレンズ選びをすること です。
単焦点レンズが良いというのは、ズームレンズより明るいレンズが多く、また、高精細(高解像度)のレンズが多いからです。
では、以下にオススメレンズを挙げておきましょう。
価格を調べる際には、レンズ名をコピーペーストして検索してみてください。
安価なオーロラ最適レンズ
広角ズーム
NIKON AF-P DX NIKKOR 10-20mm f4.5-5.6G VR (やや暗めですが描写はなかなかです。) TAMRON 10-24mm F3.5-4.5 Di II VC HLD (値段の割に、設計自体がしっかりした印象です。) CANON EF-M 11-22mm F4-5.6 IS STM (超広角ですが、コスパでいうと優れます。)
広角単焦点
高価だが買えるなら狙いたいオーロラ最適レンズ
広角ズーム
SONY Vario-Tessar T FE 16-35mm F4 ZA OSS NIKON AF-S NIKKOR 14-24mm f2.8G ED TAMRON SP 15-30mm f2.8 Di VC USD
広角単焦点
SIGMA Art 24mm f1.4 SAMYANG 24mm f1.4
One Point Advice
※高価なレンズを狙う場合、コマ収差や周辺減光などの性能についても調べておきましょう。
※また、お使いのカメラセンサーがフルサイズの場合、それに対応したレンズかどうか要チェックです。
1−3:足のながい三脚
三脚がつぎに重要な撮影ツールです。たとえばオーロラ撮影では、カメラのシャッターを通常5秒以上開けておく必要がありますので、それをきちんと固定しておくモノが必要になるわけです。いや、わたしは息を止めて手持ちで固定する!という人は、がんばってください(笑
こちら三脚も、何万円もするものを購入する必要はありません。ただし、おおくのオーロラ観測ロッジには観測デッキがあり、その周囲を木造のフェンスで囲ってあります。このフェンスの高さが1mから1.2mなので、できればその高さを超える足があると便利です 。高いと安定性は少し落ちますが、カメラ操作を立ったままできるのは、非常に楽です!
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