ゼッタイ撮りたいオーロラ!【アラスカ編】 パート2:撮影の道具と知識

日本の量販店で8000円程度で手に入る三脚は、たいてい1.5mくらいには伸びる三脚ですので、購入する際に伸ばして確認してみてください。その際に、できれば三脚の中央の棒、センターポールを15cm以上伸ばさずに、三脚全体で120cmを超える高さまで伸びる足がベストです。

アラスカ州フェアバンクスの街のスーパーにも、2020年現在、4000円前後で売っているので、オーロラツアー前に時間がある場合は、そこで購入するのも良いでしょう。他の街でも、行った先で調達できれば良いですが、購入できるのが確実かどうか、下調べが必要です。

One Point Advice

三脚を折りたたんだときに、お手持ちのスーツケースに入るかどうか、こちらの長さも調べておくと良いですよ!

1−4:カメラの防寒グッズ(補足情報)

ご自身の身を守る防寒対策は言うまでもないことですが、マイナス40℃にもなる冬のアラスカでは、カメラに対しても防寒対策が必要になります。まず、以下の基本グッズを集めましょう。
  • ジップロック
ご自身のカメラが完全に入る大きさのもの。これは寒い屋外から50度以上温度差のある屋内へ入ったときに、カメラへの結露を防止するためのものです。
  • タオルや帽子
屋外にカメラを出しておくときにかぶせておくことで、カメラに霜がつくのを防ぎ、ある程度保温効果がある。
  • ホッカイロ
長い時間カメラを外に出しておくとき、少しは役に立ちます。マイナス20度で20分くらいは持ちます。タオルや帽子にくるんで、直接外気にさらさないようにして使いましょう。

一眼レフカメラで、レンズを装着した状態では、なかなかジップロックに入りにくいかもしれません。そんなときは、穴の空いていないビニール袋を数枚重ねて、カメラを密閉します。密閉しないと意味がありません。これは、寒い屋外から、暖かく湿気のある室内へカメラを持ち込んだときの結露を防止するためのものです。

2.確実に撮るために必要なコト

オーロラ観測のベストスポットを決め、撮影道具も準備した。では、つぎに必要なのは、そうです。お勉強です! 次回の投稿記事【ゼッ写!シリーズ第1弾】ゼッタイ写したいオーロラ!パート3カメラの設定で、詳しく噛み砕いて解説していきますので、まずはここで、大枠だけ捉えておきましょう。

以下に基礎用語を4つ挙げておきました。これらをおぼえていただき、ご自身のカメラで操作できるようにしておいてください。ちなみに用語の後ろの文は、ぼくがオーロラ撮影の説明を現地でしているときに、よくあるお客さんの反応です(笑

2−1:ISO イソ?磯?

2−2:しぼり 搾るって、なにを?

2−3:シャッタースピード ああ、それならわかる。

2−4:マニュアルフォーカス ??? …ギアかなんかかね?

とりあえず、設定の前にこの4つが何かを知っておいてください。

以下に説明していきます。もし、ここでギブアップ!という方は、スマホで撮ることを考えてください!

2−1:ISO 

カメラセンサーの感度のことで、いかに光を素早く画像に定着させるか、を決定する値です。

フィルムを使っていた時代にもこの用語はありましたが、当時は「フィルム感度」と言われることが多く、ISOのほかにASAとも言いました。フジのベルビア800とか、最近復活したコダックのエクタクロームE100とかの、800や100という数字がISOの値のことです。

この数字は、小さいほど画質が高精細になり、光を定着させるのに時間がかかります。逆に、大きい数字800とか1600だと、より光の定着が速くなりますが、その分、画質は落ちます。そうです。厳密に言えば、素早く撮ることと最高画質は両立できないのです。ここはポイントです。

一部拡大:ISO12800  f/4  2.0秒 50mm
一部拡大:ISO 3200 f/4 8秒 50mm
このISOの性質は、デジタルカメラでもフィルムカメラでも同じです。お手持ちのカメラの、どこを触ればISOの数字を変更できるかを知っておいてください。5分でできますので、ISO100で撮影した画像とISO3200で撮影した画像を、カメラ内の再生機能をつかって拡大して見てみることをおすすめします。

2−2:しぼり 

搾るのではなく、レンズの中についている絞りです。

この絞りの値をF値(エフち)といいます。f1.8とかf2.8とか、だいたいf22くらいまであります。お手持ちのカメラの、どこを触れば、この絞りの数字を変更できるかを知っておいてください。

注意すべきは、F値が小さいほど絞りを開いた状態、たとえばめいいっぱいF値をさげて、F2.8(開放値)になったとすると、その値が、そのレンズで一番光が入る状態というわけです。

逆に、F値の数字を大きくしてF5.6とかF8とかにしていくと、絞りを絞る、つまり光をより少なく入るように、絞ってゆくわけですね。ここまでは大丈夫でしょうか。なぜ絞りなんてものが付いているかといえば、ピントと関係があるのですが、ここでは言及しません。

2−3:シャッタースピード

これは、レンズあるいはカメラのシャッター幕をどのくらい開けておくか、という時間です。
お察しの通り、この数字が長ければ長いほど、光の量が多くなり、出来上がる写真が明るくなります。つまり、シャッターを開けているあいだ中ずっと、外からの光をセンサーに写し込んでいるのだと考えてください。ISO、絞りと同様に、お手持ちのカメラの、どこを触れば、このシャッタースピードの数字を変更できるかも合わせて知っておいてください。

右図のように、このISOと絞りとシャッタースピードはすべて関係していて、オーロラ撮影では、この値の設定を使い、夜空に煌めく、光の弱いオーロラの像を、カメラに落とし込んでゆくのです。

2−4:マニュアルフォーカス(MF)

最後にカメラのピント=焦点=フォーカスについてお伝え致します。

ケータイカメラやコンパクトカメラを使っていると、あまり気にする必要がないことですが、すべてのカメラにはフォーカス(焦点)をあわせてから撮る、という機能が備わっており、フォーカスが合わなければ、すべての写真がピンぼけ写真になってしまうのです。

通常、SNSへの投稿写真や記念写真程度に撮影する場合、おそらく9割の方はカメラ任せに撮影していると思います。このときあなた自身は、カメラが自動で焦点を合わせるオートフォーカス機能(AF)に頼って撮影していることになります。

オーロラ撮影では、これを自分で設定する、マニュアルフォーカスを使用します。難しく考える必要はありません。手順はつぎの投稿パートでお話してゆきます。

以上の項目は、カメラの撮影の基礎の基礎です。ISO、絞り、シャッタースピード、マニュアルフォーカス。この4つを使いこなせば、写ります。たったこの4つを覚えるだけでオーロラが撮れるのです!

どうでしたか?オーロラを撮影するためには、準備がいかに重要か、わかっていただけましたでしょうか。準備なく現地へ来られると、どうしても撮影できない状況になってしまう場合があります。ぜひ、確実に撮るために「必要なモノとコト」押さえておいてくださいね!

次回は、オーロラ撮影の際のカメラ設定について、じっくり解説してゆきます。