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夏の大定番!冷やし中華の知られざる発祥のいきさつを徹底紹介

公開日:2021.10.28 更新日:2022.12.19

目次

今年も暑い夏がやってきました。そんな暑い夏に食べたくなるのは冷たい麺料理ではないでしょうか。

そうめん、ざるそば、ぶっかけうどん、冷製パスタ等、さまざまな冷たい麺料理がありますが、やはり一つ外せないのは冷やし中華では無いでしょうか。

ちなみに冷やし中華は名前に中華と入っており、中国から渡って来た中華料理の一種と思われる方が多いですが、実は日本発祥の料理なのです。

今回の記事ではそんな日本発祥の冷やし中華の発祥の諸説についてご紹介していきます。

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Pokke編集部
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1.そもそも冷やし中華ってどういうの?

冷やし中華についておさらいをしていきます。

冷やし中華は中華麺を茹でた後に冷水を流して麺を冷やし、その上にさまざまな具材を盛り付ける料理で、夏の俳句の季語になるほど夏の代表的な食べ物となっています。

また、盛りつけは深めの皿全体に麺を平たく盛り、その上に細切りにした具材を乗せるのが一般的です。

具材としては肉類(ハム、叉焼、蒸し鶏等)、錦糸卵、夏野菜(キュウリ、トマト等)が使用されるのが一般的で、彩りよくかつ中心から放射線状に麺の上に盛られていきます。

そしてかけ汁は醤油ベースと胡麻ベースの二種類がポピュラーで、具材の上からたっぷりとかけられます。

2.冷やし中華、発祥の地とされるお店について

冷やし中華の発祥については諸説ありますが、発祥とされる店で有力なのが二店あります。

一つは東京都神田神保町の揚子江菜館、もう一つは宮城県仙台市錦町の龍亭です。ではその二店の発祥の歴史やその冷やし中華の特徴をご紹介していきます。

冷やし中華の発祥のお店1「東京神田神保町 揚子江菜館」

今も現存する神田神保町の揚子江菜館では、冷やし中華の原型となる料理が第二次世界大戦後もしくは1933年ごろに初めて作られたとされています。

その原型は、細切りに切った具を皿に放射状に盛り付ける既に現在のスタイルに似た形で、五色涼拌麺(五目冷やしそば)というメニューとして当時から現在でも提供されています。

これは2代目オーナーの周子儀氏が、上海の料理である涼拌麺(もやしと細切りの肉を冷した麺に乗せた料理)と日本のざるそばからアイデアを思い付いたとされています。

またこの料理の一番の特徴である細切りの具を麺の上に盛り付けるスタイルは富士山とそこに積もる雪をイメージして作られたようです。そして五色涼拌麺の味は黒酢を用いた独特な味わいとなっています。

冷やし中華の発祥のお店2「宮城県仙台市 龍亭」

仙台市の錦町にこちらも現存する龍亭では1937年ごろに冷やし中華の原型が作られたようです。

龍亭が当時所属していた「仙台支那ソバ同業組合」の会合で、暑い夏に熱い料理が定番である中華料理をどう売り上げるかを考えました。

また、仙台の七夕の季節に観光客に向けて売るご当地商品はどんなものが出来るか、について話し合いがされ、その中で考案されたと言われています。

そこで出来上がった冷たい中華麺を用いた料理は、「涼拌麺」として龍亭で売られました。

こちらも五色涼拌麺と同じく中国の涼拌麺からヒントを得たとされますが、その盛り付けは現在の一般的な冷やし中華と異なり、キャベツ、キュウリ、ニンジン、叉焼、トマトを上に乗せた物でした。

タレは、醤油に酢を加えさっぱりとした味に仕上げた、現在のベースとなっています。この涼拌麺は一般的な当時のラーメンよりも二倍以上の価格だったのにも関わらず珍しさから人気を集めていきました。

3.冷やし中華が生まれた背景の考察してみよう

上述の冷やし中華発祥の二店は、偶然にも同時期に同じような料理を開発していますが、どちらも現在の冷やし中華のスタイルの大きなベースとなっています。

現在の冷やし中華は二店どちらのスタイルも踏襲しているのですが、特に神保町揚子江菜館の五色涼拌麺はその盛り付けが、仙台龍亭の涼拌麺はその味付けが現在のポピュラーな冷やし中華に強く残っています。

そもそも冷やし中華がこれだけ日本で浸透した理由に日本の水の綺麗さがあがります。

中国は綺麗な水が入手出来る環境が少なかったため、水を使った調理法はあまり好まれず中国の涼拌麺は団扇で扇ぐ程度の冷まし方ですが、日本では綺麗な水がどこでも手に入るため水で冷やして食すそうめんやざるそば等の冷たい麺料理が好まれてきました。

そのため中華そばも他の麺と同じように冷やしてみようという発想に至ったと思われます。

4.その後の冷やし中華はどうやって広がったの?

冷やし中華はその後市販で販売され、お茶の間にも急速に広がっていきました。1960年、龍亭のある仙台の製麺会社「だい久製麺」が家庭用の冷やし中華を開発しました。

液状のタレをつけるというお手軽さから急速に家庭の人気料理となっていきました。

またこの商品の商品名が、「元祖だい久・冷やし中華」であったことが、もともと「五色涼拌麺」、「涼拌麺」という名前だった冷やし中華が「冷やし中華」と呼ばれるようになっていった所以です。

5.終わりに

みなさま、この記事を通して身近な料理である冷やし中華のルーツが分かりましたでしょうか。夏になったら一度は食べたくなる冷やし中華の起源は意外なものだったのではないでしょうか。

ぜひこの夏に冷やし中華を食べる際はこの起源を思い出しながら味わって冷やし中華を食べてみてください。

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