夜空にふわりふわりとはかなげに舞う蛍は、日本の夏の風物詩とも言えます。
高度成長時代は水質が悪くなり、蛍の数も減ってしまいましたが、近年の意識改革と人々の努力で、都会の近郊でも蛍が見られる場所が増えてきました。
今回はそんな蛍について、そして大都市近郊で蛍が美しく見られる場所をご紹介します。
1.夏の風物詩、蛍についての基礎知識を簡単に紹介
日本で見られる蛍の種類は?
世界には2000種もの蛍が生息していると言われていますが、日本で見られるのはそのうち40種ほどで、本州以南に分布しています。
私たちが目にする蛍の多くはゲンジボタルで成虫は体長15㎜ほどになります。体長約8㎜とゲンジボタルより小型で、点滅速度の速いヘイケボタルもよく目にする種類です。
蛍はなぜ光るの?
蛍はお尻に近い部分に発光器があり、発光物質と発光を助ける酵素が入っています。この2つと、蛍の体の中の酸素が反応して光を発するのです。
活発に発光しているのはオスで、仲間に居場所を知らせる他、敵を驚かすため、求愛のために光ります。また、刺激を受けた時にも発光します。蛍の光は熱くありません。
蛍は何秒くらい光るの?
ゲンジボタルは場所によって光る長さが違い、東日本では4秒に1回、西日本では2秒に1回、東日本と西日本の中間地帯では、光る長さも中間の3秒ほどと言われています。
ヘイケボタルは1秒に1回と、短い間隔で点滅します。
蛍はどれくらい生きられるの?
蛍の寿命はとても短く、成虫になってから平均1週間ほどしか生きられません。蛍の口はとても退化していて、成虫になるとエサを食べず水しか飲めなくなるからです。
幼虫の時に蓄えた栄養の分しか生き延びることができないのです。
蛍のおすすめ観賞時期や季節は?
ゲンジボタルは5月から6月にかけて孵化します。ヘイケボタルは5月から9月にかけてと、少し長い間見ることができます。
下に詳しく書きますが、大都市近郊では蛍の見ごろと言われる時期は5月下旬から6月中旬という所が多いようです。
蛍が観賞できる時間帯は?
蛍は一晩に3回飛び回ると言われています。1回目が7時~9時、2回目が夜11時前後、3回目が午前2時前後です。
そのうち、1回目がもっとも活発に動き回ります。
蛍がよく光るのは?
・雨上がりで湿度が高い
・風がない
・月明かりがなく曇っている
などの条件が揃ったときと一般に言われていますが、地域によって多少の違いがあるようです。
蛍はどんな場所にいるの?
ゲンジボタルは本州、四国、九州の水のきれいな川に多く生息しています。
ヘイケボタルは水田や湿原など、止水域(流れていない水)に棲んでいます。
2.蛍が見られるおすすめ観賞スポット!関東から関西まで
関東のおすすめ観賞スポット
三渓園(横浜)
横浜市中区にある「三溪園」は、明治・大正時代期の実業家、原富太郎によって造られた広大な日本庭園です。
蛍の時期はちょうどハナショウブの時期と重なり、ライトアップされた三重塔とハナショウブと蛍のコラボが楽しめます。