ここ数年、日本を訪れる外国人観光客(インバウンド)の数が急増しており、実際に街の中で外国人を見かける機会も一段と増えました。では具体的にどの程度増えており、その理由はどこにあるのでしょうか。
また、訪日外国人観光客が人気の新たな観光ルートや外国人が好む意外な注目スポットはどこなのか。今回の記事では、そんな外国人観光客に関する話題についてご紹介します。
1. 外国人観光客の数が史上最高を記録
日本政府観光局(JNTO)のデータによると、2017年の1年間に日本を訪れた訪日外国人の人数(訪日外客数:推計値)は、統計開始以来の最高記録である約2869万人に達してました。
2013年は約1036万人だったので、この5年の間に約2.8倍も増えたことになります。

市場別に見ると1位が中国(735万人)、2位韓国(714万人)、3位台湾(456万人)、4位香港(223万人)となっており、東アジア4市場だけで訪日外客の3分の2近くを占めました(計2129万人)。
特に韓国からの観光客は、この1年で115万人も増えています。外国人観光客数の国別ランキングを見ると、2016年の時点で日本は世界15位です。この先3000万人を超えると、世界でベストテンに入ると予測されます。
日本政府は2020年に、訪日外国人観光客数を4000万人まで引き上げることを目標に掲げていますが、このペースで増加すれば十分に達成できそうな勢いです。
2. 外国人観光客が増加し続けている理由とは
国連世界観光機関(UNWTO)の統計データによると、世界の海外旅行者数は2000年の約6億7,400万人から、2016年には約12億3,500万人へと増加。
海外旅行というマーケットのパイ自体が世界的に拡大傾向にあります。ただそうした流れの中、旅行先としての日本の人気が急上昇しているのも確かです。
2015-2016年の外国人観光客の伸び率で見ると、外国人観光客数ランキング1位のフランス(約8,260万人)や、2位のアメリカ(7,561万人)が共にマイナス2%台と減少しているのに対し、日本は21.8%と大幅にアップしています。
その理由としては、次のようなことが考えられます。
外国人観光客の増加理由1「円安」
2011年10月末に戦後最高値(75円32銭)を記録した円は、2014年以降120円前後を行き来しており、こうした円安の進行は「日本へ行こう!」という大きな動機付けとなります。
例えば、中国元と日本円のレートを比べると、円が下落した2014年後半には、2011年に旅行した場合の約3分の2の旅費で日本観光が楽しめるからです。
そして円安になるほど日本の商品が安く感じられるため、その結果が一時流行語にもなった「爆買い」につながりました。
外国人観光客の増加理由2「LCCによる運賃下落」
ピーチやスカイマークなどに代表されるLCCは格安な運賃体系で人気を集め、就航路線数を大幅に増大。国外の航空会社を含めると、アジアを中心に現在では20以上の国と地域が羽田空港と結ばれています。
そんなLCCの躍進を背景に、大手航空会社も運賃引き下げに取り組み始めました。こうして旅費の多くを占める日本への飛行機代が安くなったことも、外国人観光客の増大につながっています。
外国人観光客の増加理由3「日本への関心の高まり」
日本の商品に魅力を感じている外国人はたくさんいます。アニメやゲームはもちろんのこと、コスメやファッショングッズも大人気で、近頃は日本の「カワイイ」文化が海外で多くの若者にウケています。