パリ18区の下町、モンマルトルの丘の上に立つ真っ白な大聖堂サクレ・クールは19世紀に建てられた純白のファサードが目にも眩しい教会です。
標高130mとパリで最も高い位置に建てられた大聖堂は、エッフェル塔と同じくパリの全景を見渡せる展望スポットとしても人気です。年間にして1,100万人以上の人が訪れ、ノートルダム大聖堂に次ぐパリの第2の観光地です。
モンマルトルはサクレ・クール寺院を中心に下町の賑やかさと門前町の賑やかさを併せ持ったエリアです。そのため、旅行者を狙った集団スリが多いので手荷物や1人行動には十分な注意が必要であり、大聖堂の中に入るにはセキュリティチェックを受けなければなりません。
観光シーズンには非常に多くの人が訪れ、入場の列も長くなりますので、時間に余裕を持ったプランにしておくのがおすすめです。大聖堂への入場後は宗教施設であることを意識して、帽子をとり静かに見て回りましょう。
3.サクレクール寺院の大聖堂建立の歴史について

サクレ・クール寺院は1870年にフランスとプロイセンの間に起こった戦と、終戦直後に蜂起したパリ・コミューンの犠牲者を弔う祈りのための寺院です。
1871年、フランスの敗北という形で終結したプロイセン・フランス戦争の後、不満を募らせた労働者階級によって「パリ・コミューン」と呼ばれる自治政府が誕生します。
蜂起したパリ市民を鎮圧するために政府軍が動いた結果、出た犠牲者の数はざっと3万人以上です。多数のパリ市民が虐殺された国民軍と政府軍の戦闘は「血の一週間」と呼ばれ、セーヌ川が赤く染まったと伝えられています。
戦争の犠牲者を弔うことを目的としたサクレ・クール寺院の構想は、当時のパリ大司教ジョセフ・イッポリト・ギベールによって発案されました。そして建立の地に選ばれたのは、モンマルトルの丘です。
そこはパリ・コミューンに参加した多くの人々が最期を迎えた場所であり、古くから「殉教者の丘」として知られていた、歴史的にも宗教的にも特別な土地でした。
工事の着手からすべてができあがったのは1914年です。サクレ・クール寺院建設は、1875年に工事のための最初の礎石(そせき)が置かれてから40年もの歳月をかけた大工事でした。
4.サクレクール寺院の建築様式について

サクレ・クール寺院はあまりの大きさに、パリ市内を散策していると遠目からもそれとわかるランドマーク的存在です。実際に近付いて見るとその規模に改めて驚くかもしれません。
大聖堂の建物全体は幅35m奥行き85m、地下にはクリプトと呼ばれる墓所(ぼしょ)があり、一番大きい白く輝く中央のドームは高さ55m・直径16mもあります。
さらに聖堂内にあるモザイク画は世界最大級、なんと480平方メートルもの巨大なものですから、建設に40年の時間がかかったというのもうなずけます。
19世紀に建てられたサクレ・クール寺院は非常に現代的な基礎工事が行われています。モンマルトルは古代ローマ時代には採石場であり、柔らかい石灰岩でできた丘は地盤が悪く、丘の上に巨大な聖堂を立てるために、まずしっかりとした基礎を作る必要があったのです。
パリにある教会の中でもひときわ異彩を放つ白いドームの大聖堂を設計したのは建築家であり、修復建築家としても活躍したポール・アバディです。コンペティションを勝ち抜いてサクレ・クール寺院の建築デザインを担当しました。
5.サクレクール寺院へのアクセス方法について

丘を登るには階段、ケーブルカー、プティ・トランやモンマルトルビュスなど好みで選べる手段がいっぱいサクレ・クール寺院へ行くには、何通りもの方法があります。
通常はメトロの駅から丘を登って行きますが、そのメトロの駅も丘の周囲にいくつもあり、出発する駅によって全く違う道行きになります。
どこから出発しても問題なくたどり着けますが、最短距離はメトロ2番線のアンヴェール駅からがおすすめです。駅の出口から緩やかな坂を上ってルイ・ミシェル広場にでれば、見上げた視線の先にはサクレ・クール寺院の白いドームが見えます。
そこから急な階段を上って行くのもいいですが、傾斜と長さが問題です。もし大聖堂のドームに登るつもりなら、体力を温存するためにも広場の脇にある「フュニキュレール」というケーブルカーに乗って行きましょう。メトロやバスの回数券で乗れるので手軽に利用できます。
一方で最短ルートは気にせずに、サクレ・クールの門前町ともいえるモンマルトル界隈を徒歩で通り抜けて寺院へ向かうのも、楽しいルートのひとつです。
散策を楽しみながらのルートはメトロ2番線のブランシュ駅、12番線のラマルク・クーランクール駅も悪くない選択肢です。また、12番線のアベス駅なら散策ルートも広場からの正面ルートも気分次第で選べます。
注意点としては、アベス駅とラマルク・クーランクール駅はホームがとても深く、サクレ・クール寺院正面の階段と同じくらい長い階段を登らなければなりません。
駅のエレベーターを利用しましょう。その他の方法としては、モンマルトルの名所を走る「プティ・トラン」や「モンマルトルビュス」があります。
2つともモンマルトルの観光バスで、プティ・トランは真っ白なミニSL風、モンマルトルビュスは普通のバスと外見は特に変わりません。
モンマルトルの名所を巡ってくれるため、モンマルトル観光を座って楽しみながらサクレ・クール寺院に到着できるのがポイントです。
6.サクレクール寺院の営業時間や入場料について
サクレクール寺院の基本情報
営業時間
寺院
6:00-22:30
ドーム
5月-9月は8:30-20:00
10月-4月は9:00-17:00
休館日
年中無休
入場料
寺院内無料
ドーム(天井)は€6
最寄駅
メトロ12号線Abbesses駅
メトロ2号線Anvers駅
地図
7.サクレクール寺院の口コミを紹介
あと今日は6時過ぎからモンマルトル界隈を散策して来ました( ´ ▽ ` )
ケーブルカーも有るのですが、仕組みがよく分からんので階段を使って上がる…(´ω`;)
サクレクール寺院からパリ市内を見下ろす事が出来まして、ジャンヌ像もパリを見渡しています(*´ェ`*) pic.twitter.com/zZXk4Ot0rS— くろうど (@39over39) 2017年4月17日
モンマルトルの丘に建つサクレクール寺院から、パリ市内を望む。空気が白く霞んでいるのは、大気が汚染されているためで、特に酷い日にはマイカー規制(ナンバーの数字で乗り入れ制限)やレンタル自転車の推奨などが行われている模様。しかしレンタル自転車は、冬場はちょっとつらい。 pic.twitter.com/Ls7ot9vUd3
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) 2017年1月26日
8.まとめ
いかがでしたでしょうか。サクレクール寺院には見どころ溢れるポイントがたくさんあります。パリが一望できる展望台もありますので、パリへ訪れた際はぜひ体験してください。