本物のわらび餅は黒っぽい?わらび餅の原料、正体の謎に迫る

わらび餅 原料

夏の風物詩として老若男女に親しまれている「わらび餅」。でも、スーパーやコンビニなどで見かける白っぽくて涼しげなわらび餅は、残念ながら“本物の”わらび餅ではありません。

では、ふだん私たちが食べているわらび餅の正体はいったい何なのか、そして本物のわらび餅とはどう違うのか。今回の記事では、わらび餅の原料や作り方などの疑問に迫ってみました。

1.まずは歴史を紹介!わらび餅は平安の世から親しまれてきた

わらび(蕨)と言えば煮物や炒め物、おひたしなどの食材として、古くから日本の食卓ではおなじみの山菜です。

そして元々はわらび餅も、わらびの地下茎から得られるデンプン(わらび粉)を原料としているため、その名前が付けられました。

わらび餅の歴史をたどると、平安時代の醍醐天皇(885-930)の好物だったとの説があったり、戦国時代にもわらび餅を詠んだ歌が残っていたりするなど、お茶菓子として長きにわたって親しまれてきたことがうかがえます。

2.本来の原料、わらび粉100%の「本わらび餅」は黒っぽい

わらび100%のわらび粉は、粉が黒や琥珀に近い色をしています。そのためわらび粉で作られたわらび餅も、そのまま黒っぽいこんにゃくのような色となります。

しかし、私たちがふだん食べているわらび餅は、白っぽい半透明の涼しげな色合いをしています。それはなぜでしょうか。

実は、スーパーなどの店先に並んでいるわらび餅のほとんどは、サツマイモやタピオカから取れたデンプン、あるいはくず粉が原料です。

つまりわらび餅とは名ばかりで、わらび粉は使われていないのです。

わらび粉は昔から手に入りにくかったため、すでに江戸時代には、わらび粉にくず粉を混ぜたわらび餅が数多く出回っていたそうです。

それらと区別するため、わらび粉で作ったものは今日「本わらび餅」と呼ばれていますが、白っぽいあのわらび餅も、それなりに年季の入った食文化の一つと言えるかも知れません。

3.原料のわらび粉は取れる量が少なく、製造に手間暇のかかる希少品

わらび粉は、わらびの地下茎を掘り起こし、叩いてほぐして、冷水で洗って取り出したデンプンを乾燥させて作ります。

非常に手間がかかる上、1kgのわらびから取れる粉はわずか7〜8g。おまけに地下茎を掘り起こして冷水で何度も洗う作業は冬に行う必要があり、完成までに半月近くも要します。

こうして手間暇をかけて作られた純度100%のわらび粉は、100gで1500円以上するものがほとんど。同量のくず粉なら安いもので400円程、タピオカ粉なら100円以下で済むためコスト差は歴然です。

スーパーなどで数百円で購入できるわらび粉は、デンプンを混ぜたものがほとんど。純度100%のわらび粉を手に入れるならネット通販が手軽で確実です。

4.本物のわらび餅のおいしさは作りたてが命

本物のわらび餅はぷるんとした弾力があり、口の中で噛むとすぐに溶けて、ほんのりと上品な甘さが広がります。そしてわらび粉ができあがる季節が春なので、本来は夏ではなく春が旬の食べ物です。

というのも、純度の高いわらび粉の消費期限は2、3日しかなく、粉にした直後から劣化が始まると言われているからです。

そのため春にしかわらび餅を出さない店があれば、それは本来のわらび餅のあり方を知り尽くした、こだわりの店の証だと言えるでしょう。

5.本わらび粉を原料として使ったわらび餅の作り方

手軽にできたてを味わうなら手作りがおすすめ。作り方はとても簡単です。材料は4人前で100%わらび粉50g、水250cc、グラニュー糖100g、きな粉・黒蜜が適量となります。

作り方

①ボウルにわらび粉を入れ、粉の塊がなくなるまで水でしっかり溶かす

②①をざるで濾しながら鍋に移しグラニュー糖を加えて溶かす

③鍋を中火にかけ、強い粘りが出てくるまで弱火で5分程練り続ける

④③をきな粉を敷いたパットの上に移し、きな粉をまぶして一口大にちぎる

⑤常温に置いて粗熱が取れたら黒蜜をかけてできあがり

本わらび餅ならではの口の中でとろけるような食感は、できたてでしか味わえません。時間が経つ程に口どけが悪くなるため、完成から30分以内に食べ切ってしまうのが理想です。

どうしても当日に食べきれない時は密閉容器に入れて冷蔵庫で保存し、3日以内に食べ切ってください。

6.最後に

純度100%のわらび粉は多少値が張るものの、お金をかけるだけの価値は十分にあります。

作り方もシンプルで15分もあればできあがるので、本物のおいしさを味わってみたい人は、ぜひ手作りにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

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