チーズのお供と言えば、ワインを思い浮かべる人が多いではないでしょうか。しかし、チーズもワインも種類が多すぎて、選ぶのに困ってしまいますよね。
ワインとチーズに関して、しっかりと知識を持っていると、ヨーロッパ旅行はより楽しくなります。では、どのような組み合わせがいいのでしょうか。
今回の記事では、ワインとチーズの相性やおすすめの組み合わせ、楽しみ方や食べ方について紹介しています。また、口コミも記載しているので、ぜひ参考にしてください。
1.ワインに合うチーズ選びに大切な4つのこと

誰もが認めるチーズとワインの生産大国フランス。「チーズとワインの組み合わせ基本原則」があります。
1-1 同じ原産地のものを合わせる
チーズとワインは、同じ地方、または近隣でできたものを合わせることが基本です。これをしっかりと押さえると、相性が良いと言われています。
1-2 チーズには赤ワインが合わせやすい
どちらかといえば、チーズには白ワインよりも赤ワインが合わせやすいと言われています。チーズは、乳の種類や技法によって味が異なります。
ワインも同じです。もちろん、白ワインやスパークリングが合う場合もありますが、フランスでは、迷った時の1本は「フルーティな赤ワインを選ぶと良い」と言われています。
1-3 ワインの香りを損なわないチーズを選ぶ
世界の銘醸ワインと言われるワインは、ブーケ(香り)をとても大切にします。ですから銘醸ワインには、熱を加えた強い匂いのチーズは避けます。
1-4 個性的なチーズには、個性的なワインを合わせる
塩味の強いチーズには、酸味のあるワイン。脂肪分の高いチーズには、渋味のあるワインが合わせやすいと言われています。つまり、それに個性的なチーズには、その個性に負けないワインを選ぶということです。
2.ワインに合うチーズの組み合わせについて

一口にチーズといってもその種類は多彩です。国によって分類も異なると言われています。では、ワインに合うチーズとはどのようなチーズなのでしょうか。
ナチュラルチーズは、7つのタイプに分類することができます。ここでは、チーズのタイプ別にワインとの相性を見ながら、基本的な組み合わせのパターンをご紹介します。
2-1 フレッシュタイプチーズの組み合わせ
フレッシュタイプのチーズとは、熟成させないタイプのチーズ。そのため癖がなく、水分を多く含んでいて柔らかく、新鮮な状態で食べるのがおすすめです。
プレーンには、モッツァレラ、マスカルポーネ、リコッタ、クリームなどがあります。このタイプのチーズには、やや酸味のある辛口の白ワイン、フルーティなロゼ、やや甘口の白ワインなどの組み合わせが合います。
スパイス入りは、ブルサン、クリーム(パプリカ、ペッパー入りなど)があります。このタイプのチーズには、果実香の高い軽めの赤ワインや、辛口の白ワインなどの組み合わせがおすすめです。
酸味のある乳酸タイプは、サンマルセラン、バノンなどがあります。このタイプのチーズには、辛口で味わい深い白ワインや、フルーティな赤ワインとの組み合わせが合います。
2-2 白カビタイプチーズの組み合わせ
白カビタイプのチーズには、表面に植えた白カビが、内側に向かって熟成していくチーズです。クリーミーでマイルドな口当たり。癖も控えめで、特に初心者におすすめです。
マイルドタイプは、カマンベール、バラカ、クータンセ、シュプレームなどがあります。ふくよかでライトな赤ワインと、白ワインとの組み合わせがおすすめです。
熟成が進んだタイプは、サンタンドレ、ルパイエなどがあり、コクのある辛口の白ワインやシャンパン、ライトな赤ワインが合います。
風味の強いタイプは、カマンベール・ド・ノルマンディーAOP、カマンベール・クール・ド・リヨンなど熟成したものです。コクのある辛口の白ワインとの組み合わせがおすすめです。
2-3 青カビタイプチーズの組み合わせ
青カビタイプのチーズとは、内側に青カビを繁殖させ、熟成させるチーズのことです。青カビが脂肪を分解するため、刺激的な香りが生まれます。他のチーズと比べて塩気が強く、独特な風味が特徴です。
塩気が強いタイプには、ゴルゴンゾーラ、ロックフォール、スチルトンなどがあります。コクのあるフルボディーの赤ワインや、糖度の高い極甘の白ワインと組み合わせるのがおすすめです。
マイルドタイプは、ブレス・ブルー、フルム・ダンベールなどがあり、辛口の白ワインや、フルーティで軽い赤ワインがおすすめです。
2-4 ウォッシュタイプチーズの組み合わせ
ウォッシュタイプのチーズには、熟成過程で塩水やブランデーを吹きかけて洗うことから、ウォッシュタイプと呼ばれています。
「リネンス菌」という特殊な細菌の繁殖により熟成させるため、匂いが強い個性的なチーズです。通向きのチーズとして人気があります。
香りの強いタイプは、マンステルなどがあり、強いコクのある赤ワインがおすすめ。また、同じアルザス地方の白ワインも合います。
香りが優しいタイプには、ショーム、ピエダングロワなどがあり、コクのある赤ワインや、辛口の白ワインとの組み合わせがおすすめです。
2-5 シェーブルタイプチーズの組み合わせ
シェーブルは、フランス語で「ヤギ」のこと。名前の通りヤギの生乳で作られ、爽やかな酸味があります。熟成が進むと、深いコクとヤギ特有の風味が増していきます。チーズ好きの間で根強い人気を保っています。
マイルドタイプは、フレッシュ・シェーブル、シャブルー、サントモールなどがあり、フルーティな白ワインやロゼなどの組み合わせがおすすめです。
熟成タイプは、セル・シュール・シェール、サント・モール・ド・トゥレーヌなどがあり、コクの強い赤ワインやロゼと合います。
2-6 セミハードタイプチーズの組み合わせ
セミハードタイプのチーズとは、チーズ作りの中で、プレスして水分量を少なくした半硬質〜硬質の比較的硬いチーズです。熟成期間は、3ヶ月〜半年程度。長いもので1年くらいです。